白雪姫(白雪公主)

  白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)(1)

  昔(むかし)々(むかし)、とっても美(うつく)しい(しい)けれど、心(こころ)のみにくいお妃(きさき)がいました。

  お妃(きさき)は魔(ま)法(ほう)の鏡(かがみ)を持(も)っていて、いつも魔(ま)法(ほう)の鏡(かがみ)に尋(たず)ねます。

  鏡(かがみ)よ鏡(かがみ)よ、この世(よ)で一(いち)番(ばん)美(うつく)しいのはだれ?

  お妃(きさき)は、鏡(かがみ)がいつものように、あなたが一(いち)番(ばん)美(うつく)しいです。と、答(こた)えるのを待(ま)ちました。

  しかし鏡(かがみ)は?あなたの娘(むすめ)、白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)です。と、答(こた)えたのです。

  お妃(きさき)は、白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)の二(に)度(ど)目(め)のお母(かあ)さんです。

  お妃(きさき)は激(はげ)しく腹(はら)を立(た)て、白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)を猟(りょう)師(し)に殺(ころ)させようとしました。

  ( でも、心(こころ)の優(やさ)しい猟(りょう)師(し)は、白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)をそっと森(もり)の(の)中(なか)に隠(かく)し、

  お妃(きさき)には白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)を殺(ころ)したと嘘(うそ)をついたのです。 )

  白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)は、森(もり)に住(す)む七(しち)人(にん)の小(こ)人(びと)たちと暮(く)らすことになりました。

  白雪(しらゆき)姫(ひめ)(2)

  そして、小(こ)人(びと)たちが山(やま)に働(はたら)きに入(はい)っている間(あいだ)、掃(そう)除(じ)や洗(せん)濯(たく)や針(はり)仕(し)事(ごと)をしたり、ご飯(はん)を作(つく)ったりして、毎(まい)日(にち)を楽(たの)しく過(す)ごしました。

  「白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)、私(わたし)たちが仕(し)事(ごと)に行(おこな)っている間(あいだ)、誰(だれ)も家(いえ)に入(い)れちゃいけないよ。あの怖(こわ)いお妃(きさき)に、ここが知(し)られてしまうからね。」と、いつも小(こ)人(びと)たちは言(い)うのでした。

  ところがある日(ひ)、「鏡(かがみ)よ鏡(かがみ)よ、この世(よ)で一(いち)番(ばん)美(うつく)しいのはだれ?」と、お妃(きさき)が鏡(かがみ)に聞(き)くと、

  「山(やま)を越(こ)えたその向(む)こう、七(しち)人(にん)の小(こ)人(びと)の家(いえ)にいる白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)です。」と、答(こた)えたのです。

  「なんですって!!!」

  お妃(きさき)は、物(もの)売(う)りのおばあさんに化(ば)けると、毒(どく)入(い)りリンゴを手(て)に、 七(なな)つの山(やま)を越(こ)えて、小(こ)人(びと)の家(いえ)に行(い)きました。

  そして、窓(まど)を叩(たた)いて言(い)いました。「美(うつく)しい娘(むすめ)さんに、贈(おく)り物(もの)だよ。」

  「まあ、何(なん)てきれいなリンゴ。おばあさん、ありがとう。」

  けれど、そのリンゴを一(ひと)口(くち)かじるなり、白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)はパタリと倒(たお)れ、二(に)度(ど)と目(め)を開(ひら)きません。

  白雪(しらゆき)姫(ひめ)(3)

  小(こ)人(びと)たちは悲(かな)しみ、ガラスの棺(ひつぎ)の中(なか)に白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)を寝(ね)かせて、森(もり)の中(なか)に置(お)きました。

  そしてある日(ひ)、一(ひ)人(とり)の王(おう)子(じ)が森(もり)で迷(もよ)い、白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)の棺(かん)を見(み)つけたのです。

  何(なん)てきれいな姫(ひめ)なんだ。まるで眠(ねむ)っているようだ。

  王(おう)子(じ)は思(おも)わず、棺(かん)の中(なか)の白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)にキスをしました。

  するとキスしたはずみで、リンゴのかけらが白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)ののどから飛(と)び出(だ)したのです。

  目(め)を開(あ)けた白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)は、わたしは、どこにいるのかしら。と、王(おう)子(じ)に尋(たず)ねました。

  「ずっと、わたしと一(いっ)緒(しょ)にいるのですよ。姫(ひめ)。」

  王(おう)子(じ)と白(しら)雪(ゆき)姫(ひめ)は、ずっといっしょに幸(しあわ)せに暮(く)らしました。